「だからここに来ると、俺たちの中に流れている縄文人の血がさわぐんだよな。
大和朝廷の弥生人に、対抗していた血が。
縄文人の方が情熱的で、土器でも火焔土器とかな、音楽なんかも津軽三味線
やなんか聞くと、俺たちの中に半分流れている血がさわぐんだよ」
そんな話を聞きながら風景を見渡すと、なぜか熱い血が燃えてくる
ような気がします何を思いながらこの場所にいるかで、旅は全然
違うものになるのですね
車に乗り込むと、ひとりさんが「このへんにね~昔お世話になった旅館が
あるんだよ~もう20年くらい前になるかな」
「津軽33箇所めぐりしているときに旅館をさがしていて、誰かに聞きたいん
だけど、人探すのが大変なの(笑)誰も歩いてないんだよ(笑)」
「で、やっと見つけた旅館でね、電話で、旅館じゃなくて普通の民家だと
思わないと見つかりませんよって言われて(笑)」
「酢ダコとかアジの唐揚げがおいしかったの。すごくよくしてもらってね、
このへんで一軒一軒回って聞きたいくらいだな(笑)
今でもひとことお礼が言いたいな」
それは見てみたい…
今もやっているのなら、ひとりさんと一緒にお礼を言いに行きたい…
そう思って窓の外を見ていると、ひとりさんが「あっあれかも」
ほ、ほんとに…ということで、急遽引き返したのです
そこは…