「俺は普通の人の話が聞きたい」って言うんです。
「おまえのお父さんが樺太に行ったでしょ。そのときどうやって行ったの、
どうやってお店をつくったの、そういう話が聞きたいの」
「それとかおまえのお母さんの話とか、旅先で出会う人とかな。
普通の人の話ほど、おもしろいものはないよ」とひとりさんは言います。
最近はそんなひとりさんの気持ちが、少し分かるようになりました。
人の話を聞くことこそ、おもしろいですね。「私、平凡な人生です」
って言っていも、聞いてみるとみんなけっこう波乱万丈です。
共感できることがあったり、その体験やドラマは、知恵と学びの宝庫
なんですね。趣味一つとっても同じですね。
そういうことを聞いているうちに「人っていいなぁ」と思って、人が大好きに
なってくるんですね。そして、話を聞くと相手に喜んでもらえますから、
そんな自分のことも大好きになれるんです。